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ねこクイズ

【歴史・文化2】
和歌山電鉄の貴志駅は何で有名?
①駅長がネコ
②駅員が全員ネコ
③客が全員ネコ
④駅長がネコにそっくり
どっかの駅長

<これは別の駅の駅長さんですが・・>
答え:①・・・・と②
和歌山電鉄の喜志駅の駅長は雌の三毛ネコ「タマ」です。
タマは、もともと喜志駅の売店で暮らしていたネコでした。

<タマ駅長誕生まで>
はじめ、茶トラの雌ネコ「ミーコ」が喜志駅で仔猫を4匹出産しました。「タマ」はそのうちの1匹で、ほかの兄弟が亡くなったり貰われていったりした後、母猫ミーコとともに駅の売店(小山商店)で飼われるようになりました。
そこに、駅前に捨てられていた生後間もない茶白の「チビ」も拾われ、タマが母親代わりとなって育てていました。
2003年、貴志川線を運営していた南海電鉄が赤字路線の廃止を表明、その際、岡山電気軌道(両備グループ)が経営を引き継ぐことで、路線廃止はまぬがれました。
しかし、タマ達の棲む売店は取り壊されることになり、タマ達が困っていたところ、電鉄の社長さんがタマを喜志駅の駅長に採用してくれたのです。日本の民営鉄道でネコに駅長を嘱託した例は初めてのことでした。終身雇用で年棒はキャットフード1年分とのこと。
また、ミーコとチビも助役に就任。喜志駅は無人駅なので、駅員は全員“ネコ”となりました。

<タマ駅長その後>
タマの駅長就任のニュースは日本はもとより外国でも取り上げられ、和歌山電鉄には世界中から観光客が訪れるようになりました。
2008年、廃止寸前だった貴志川線の知名度・乗客数・売上を飛躍的に向上させたことが認められ、タマは「駅長」から「スーパー駅長(課長職相当)」に昇進、年末手当としてカニカマを授与されました。
また、和歌山への観光客増加など、その経済波及効果は1年間でなんと11億円にも及び、(関西大学・宮本勝浩教授調べ)、和歌山の魅力を全国に発信した功績により、仁坂知事から「和歌山県勲功爵」の称号を与えられました。
2010年、駅長就任以来3年間における業績が評価され、タマは執行役員に昇進。ネコ型屋根の新駅舎も完成しました[たまミュージアム喜志駅]。
その後タマは、2011年 常務執行役員に昇進、2013年社長代理に昇進。
2012年からは、高齢になったタマが喜志駅を休む日に、喜志駅長代理を「ニタマ」がつとめています。ニタマも交通事故に遭いそうなところを保護されたネコで、ヒト好きな性格をかわれて伊太曽駅長に就任しています。
2014年より、タマは「ウルトラ駅長」に昇進、すべての駅長を統括する職に就きました。

<全国に波及>
タマの活躍をきっかけに、全国に動物駅長が誕生しています。一部ご紹介を。。。
会津鉄道の芦の牧温泉駅に棲むネコの「バス駅長」
伊豆稲取駅はオウムの駅長「アッコちゃん」
近畿日本鉄道賢島駅の特別駅長はペンギン「志摩ちゃん」
海の中道駅はトカラヤギの駅長「久太郎」
指宿駅はケヅメリクガメの駅長「小太郎」(小太郎の気が向いた時だけ)
几帳面なタマは後輩駅長が誕生したニュースを知ると、祝電を送っているということです。

春の行楽シーズン、各地の動物駅長さんに会いに行ってみられてはいかがですか!